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韓国系アメリカ人のラッパー『Year of the Ox』が16日、新型コロナウイルスを巡るアジア人差別を糾弾した新曲をリリースした。
YouTubeの公式アカウントに投稿された『Viral(バイラル)』という曲のMVでは、新型コロナ感染が拡大するなかでアジア系に向けられたヘイトクライムを捉えた映像が連続して映し出されている。
しかしViralは、ラッパーの1人Lyricks(トップ画像左)自身が過去に人種差別的な行為を犯したと告白する歌詞から始まる。
「この場では誠実でいたい。911(米同時多発テロ)の後、ターバンを被った人を見て怖がっていた自分を覚えてる。友達に俺は無知なレイシストだって言われて怒られたよ。怒られて当然だったけどな」
Lyrics自身がイスラム教徒に対して差別意識を抱いていた事実を認め、歌詞は人種差別に走る人間の性の恐ろしさに焦点を当てていく。
「どうして俺達は人をグループで一括りにして、ネガティブな側面ばかりに目を向けるんだ?パンデミックが怖いのだろうが、どのウイルスよりも一番怖いのは人間の憎悪だ」
Year of the Oxは米メディア『Wong Fu Productions』のインタビューに応え、Viralには人は誰でも人種差別の加害者にも被害者にもなるというメッセージが込められていると述べた。
「俺達は、正義のヒーローになろうなんて思ってはいない。でも、ヘイトクライムに対しては声を上げて抵抗しないといけない。アジア系の人達を守るためだけではなく、人種差別の現状を伝えて視野を広げさせる必要があったんだ」
そしてLyricsの相方JL(トップ画像右)は、こう付け加える。
「無知による恐怖から派生する人種差別や偏見に立ち向かうには、人々の結び付きをより強くしなければならない。この問題を乗り越えるには、愛しかないと思うんだ」