Source: KFC Australia/YouTube
世界的なファストフードチェーン店の『ケンタッキーフライドチキン(KFC)』が先月、同社の公開した新CMが女性差別的であるとの批判を受け、公式に謝罪声明を出した。
KFCのオーストラリア法人は昨年12月末、『The Zing Popcorn Box』というセットメニューの宣伝CMを全国テレビで放送し、公式YouTubeにも投稿した。
車の窓を鏡替わりに、若い女性がお尻や胸元を確認するシーンからCMは始まる。すると突然窓が下がり、不快な表情で彼女を見つめる母親の女性の手前で、幼い男児2人が彼女の顔と胸元をほくそ笑みながら見詰めていた。
それでも女性は気にする素振りを見せず、車に乗っていた3人家族にピクニックに来ないか誘った。そして、彼女の友人らがThe Zing Popcorn Boxを頬張るシーンでCMは終わる。
このCMはYouTubeで100万回再生を超えるほどの注目を集め、視聴者の多くは好意的な反応を見せている。
しかし、男児が女性の胸元を凝視することは「女性を物と見なしている」として、性差別的な表現に対する批判の声も相次いでいるのだ。
オーストラリアのフェミニスト団体『Collective Shout』は、「若い女性が性の道具として利用されていた、時代遅れな悪習への退化だ」と同社に向けた非難声明を発表。KFCの不買運動も呼び掛けた。
「メディアを通じたジェンダーのステレオタイプ化は、女性蔑視を助長させるという研究結果が出ています。こうした広告は性犯罪を許容させ、性差別に立ち向かう力の妨げとなるのです」
批判を受けたKFCオーストラリア法人は、「意図せず不快な表現を与えたことをお詫びします」との謝罪声明を発表した。一方で、現時点まで同社は問題となったCMを取り下げていない。