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アメリカ・カリフォルニア州では翌年、畜舎の拡大を命じる新たな動物福祉法『Proposition 12』が施行される。
2018年に住民投票によって可決されたこの新法は、繁殖用の雌鶏と雌豚、そして食用孔子の「残酷な飼育方法を禁じる」と明記されており、主な内容として家畜1匹ごとの収容スペースの最低値が定められている。
公共ラジオ局『ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)』によると、養鶏業者と養牛業者は規則を遵守できる見通しであるが、養豚業者で準備が整っている割合は僅か4%であるというのだ。
農業組織向けの金融機関『ラボバンク(Rebobank)』の調べでは、カリフォルニア州の飲食店と食料品店は毎月約11万トンの豚肉を使用している。
AP通信の取材に応えた養豚業者のドワイト・モグラー氏は、新法の施行によって経費が3百万ドル(約3億3000万円)まで膨らみ、飼育数も大幅に減少させる必要がある警鐘を鳴らした。コンサルティング会社『Hatayama Group』によれば、埋め合わせのために豚肉の価格は60%ほど値上がりする見込みだという。
さらに今年6月、最高裁判所は北米食肉教会(NAMI)が同法に対し起こした訴訟を棄却し、動物福祉を優先する姿勢を示した。飲食業組合や養豚事業協同組合も同様に提訴しているが、いずれも裁判所は組合の要望を認めていない。
需要と供給のバランスが保てなくなると危惧する声が聞かされる中、米国人道協会のジョッシュ・バルク氏は「なぜ養豚業者は残酷な飼育方法の禁止に反発するのか?」と不信感を募らせ、動物福祉が多くの住民に支持されている事を認めるべきだと主張した。