Source: Kollege Kid/flickr
ニュージーランド最大の都市オークランドの公立高校が、原住民マオリ族の文化を尊重し、生徒の入れ墨を許可する決定を下した。
現地メディア『Stuff』によると、市内にある男子校『Westlake Boys Highschool(ウェストレイク・ボーイズ・ハイスクール)』は昨年、腕と肩に入れ墨を入れたマオリ族の生徒2人に対し、タトゥーは校則違反であるとして隠すよう命じた。
しかし、この入れ墨は『タ・モコ』と呼ばれるマオリ族の伝統文化であり、彼らのアイデンティティを象徴する神聖なものとして先祖代々受け継がれてきた。学校の要求に対し生徒らは、「深く傷付いた」と嘆いたという。
腕に彫られたタ・モコ(上)Source: Maciej Noga/flickr
本件について生徒の親族から苦情を受けた学校は後日、マオリ族文化に詳しい専門家を招いた会合を実施。そこではマオリ文化におけるタ・モコの価値と重要性について説明がなされ、学校は校則の見直しが必要であると判断した。
そうして複数回に亘る職員会議を行った後、マオリ文化を否定する規制の改定は建設的であるとして、タ・モコに限り生徒の入れ墨を認める方針を固めたのだ。
同メディアの取材にデイビッド・ファーガソン校長は「9月の新学期に間に合った」と安堵の気持ちを述べ、この決定は学校にとって有益な結果をもたらすだろうと意気込みを語った。
公式サイトに記載されている新しい校則によると、ファーナウ(マオリ族の親族)による書面もしくは口頭での承認があれば、生徒は校内でタ・モコを露出することが出来る。
また禁止されていたアクセサリー類の着用も、今回の改定によりヘイティーキなどマオリ族の伝統装飾品のみ、上記と同じ手順で許可されるという。