Source: The Duke and Duchess of Sussex/Instagram
タブロイド誌やSNSなどで、言われなき批判や嫌がらせを受け続けてきた英国のヘンリー王子とメーガン妃(トップ画像)。
2人は昨年夏、誤情報の拡散やヘイト(憎悪)の扇動を止めないメディアから距離を置こうと英王室を離れ、LAの人里離れた邸宅に移住した。
しかし、それでもマスコミによるプライベートの侵害は絶えず、SNSでは誹謗中傷の書き込みが絶えることはなかった。
こうした実体験を元に、サセックス公爵夫妻はSNSの問題点を繰り返し指摘しているのだ。
Source: The Duke and Duchess of Sussex/Instagram
米誌『Fast Company』のインタビューに応じたヘンリー王子は、今月6日に起きたアメリカ連邦議会議事堂襲撃事件の原因もSNSにあると訴えた。
「私たちは、陰謀論に愛する人を奪われ、歪曲された事実に自我を失くし、そして最終的には民主社会を崩壊してしまうんだ」
彼は、自身がメディアの誤情報によって嫌がらせのターゲットとなった経験を振り返りながら、こう続ける。
「世界中のあらゆる人々が、程度の違いはあれどSNSによる悪影響に苛まれたことだあるだろう。家族や友人が過激思想に染まり、気候変動は嘘だと言い張り科学が否定されている。
だから僕は、これはテクノロジーや政治の問題ではなく、人道の危機であるとしか思えないんだ」
連邦議会議事堂襲撃事件のみならず、ミャンマーでのロヒンギャ虐殺やイスラム教徒迫害や、ブラジルの熱帯雨林破壊など、現実で起きている様々な問題がSNSの誤情報とヘイト扇動に起因していると訴えるヘンリー王子。
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健全なメディアを保つ為にどういった改革が必要となるのかという質問に対し、彼は「毎日自問しているし、専門家からのアドバイスに頼っている」とした上で、「TwitterやYouTube等のプラットフォーム提供者が責任を負って対策を取ること、また利用者一人一人が情報を鵜呑みにせず、冷静な判断力を身に付けることだ」と述べた。
そして最後に、情報化社会において「相手に思いやりを持つこと」の重要性を再度認識する必要があると強調した。
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Twitter社は今月、トランプ前大統領やイランの指導者ハメネイ師を含む7万超のアカウントを「陰謀論を拡散した」「暴力を促した」等の理由で一斉に凍結するという大規模な措置を講じた。
しかし、ネット上には差別や迫害を支持する声や陰謀論の信奉者の姿が、未だ数多く見受けられている。
SNSが社会に残した深い傷跡を癒すには、膨大な時間と労力が必要となるだろう。