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アメリカ南東部フロリダ州で行われたアメリカンフットボールの試合で、片方のチームが「警察の命にも価値がある」と主張したことで乱闘が発生し、フロリダ高校スポーツ協会(FHSAA)が2校に対する制裁を加えた。
現地メディア『Orlando Sentinel』によると、高校アメフトの州大会決勝戦が先月27日に開催され、パスコ郡のミッチェル高校(J.W. Mitchell High School)が勝利を収めた。
すると、対戦チームであるオレンジ郡のウェキバ高校(Wekiva High School)の選手が暴力を含む喧嘩を仕掛け、警察が介入する騒ぎとなったのだ。
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会場には試合開始前から重苦しい空気が漂っていた。
国歌斉唱時、ウェキバ高校の選手が人種差別に対する抗議の意思を表するため起立を拒否した際、ミッチェル高校の選手がフィールド内で『Blue Lives Matter(=警官の命にも価値がある・以下、BLM)』の旗(画像下)を掲げたという。
これに観客席からは一部ブーイングが発生し、試合中は緊迫とした雰囲気に包まれていたのだ。
またウェキバ高校の選手からは、「ミッチェル高校のチームが人種差別用語を使ってきた」との証言もあったという。
Blue Lives Matterの旗(上) Source: Thin Blue Line USA/Facebook
BLMとは、黒人差別撤廃を呼び掛ける世界的な運動『Black Lives Matter(=黒人の命にも価値がある)』から名を借りており、警察を狙った殺人事件をヘイトクライムとして認めるよう訴える抗議活動のことだ。
しかし、BLMは人種と職業の位置付けを曖昧にし、黒人差別撤廃運動を揶揄しているとして批判を集めているのだ。
フロリダ高校スポーツ協会は3日、ウェキバ高校アメフト部に500ドル(約5万円)の罰金を科し、2022年6月まで協会の監視下に置くと発表。さらに、同校の選手10人に10か月の謹慎処分を講じた。
現時点で逮捕者は出ておらず、双方からの告訴などは確認されていない。