Source: The Golden Girls/YouTube
動画配信サービス『Hulu(フール―)』が先月、アメリカの人気コメディドラマ『The Golden Girls』の一部エピソードを、黒人差別的な表現が含まれているとして配信を停止したと複数の米メディアが報じた。
対象となった箇所は、1988年に放送された『Mixed Blessings』にあるシーン。主人公ドロシーの息子が恋人の黒人女性ロレインを紹介するために、彼女の元へ訪れた時だ。
暫くするとロレインの母親が登場し、挨拶を交わした後、ドロシーの親友であるローズとブランシュが泥パックをした状態でバスルームから出てきた。そして2人は、驚いた表情を見せるロレインの母親に対して「顔に泥を塗っているだけよ!私達は黒人じゃないわ」と焦った様子で訴えた。
Source: The Golden Girls/YouTube
そのままストーリーは進み、泥パックに触れることはなく、話題の中心はカップルの年齢差などの問題にシフトされた。
しかしThe Golden Girlsを配信するHuluは、泥パックのシーンは「ブラックフェイス」であると懸念し、同エピソードのみ配信を停止したのだ。
ブラックフェイスとは、アメリカで人種差別が蔓延していた時代に、白人向けのエンターテイメントのなかで黒人のカリカチュア(人種的特徴の誇張描写)として多用されていたもの。
人種のステレオタイプであり、黒人が虐げられていた歴史を彷彿とさせるため、現代ではブラックフェイスに類似した表現に対して厳しい批判の目が向けられている。
今回Huluの下した決断には賛否両論が出ており、「ただの泥パックがブラックフェイスなんて神経質すぎないか」などと過剰反応を指摘する声も見受けられている。