Source: Matt (宁天雄)/Twitter
中国・武漢市から発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界中で150万人以上が感染し、死者は10万人を超えた。
混乱が渦巻くなか、最初に症例が確認されて以降3000人が犠牲となった中国では、数週間前から1日当たりの感染者数および死者数が激減。封鎖されていた都市や渡航制限も徐々に緩和されている。
一方で、海外から帰国した中国人がウイルスを持ち込んでいるとして、中国当局は感染拡大の第2波に懸念を示している。
しかし国内では、「外国人がウイルスを拡散している」との誤情報が国民の警戒心を煽り、外国人への迫害が横行しているのだ。在中外国人からは、国内で高まる外国人嫌悪に対して不安を訴える声が相次いでいる。
"We do not accept foreign friends…"
Just learned this sign is posted in a shop in our Beijing apartment complex. Pass that place every day but have never gone inside. Guess I never will! pic.twitter.com/P371mVQedj
— J Boyce (@beijingboyce) March 23, 2020
英語圏向けに中国グルメ情報を発信している男性が撮影した上の写真には、「外国人と体温37.3度以上の人は入店をお断りします」との張り紙が。
この写真は3月に投稿されたものだが、4月7日時点でも張り紙は外されていなかったという。
さらに米メディア『NTD News』によると、南部広東省で多くのアフリカ人居住者が「ウイルスが移るから」と大家から立ち退くよう命じられていることが分かった。この退去命令による補償などは一切ないと報じている。
广州告急,广东告急!三元里大量的黑人被房东赶出来,不让住。包括一些短期来做生意打工的黑人,也没人收留,大量露宿街头。这都是安全隐患,也是病毒传播隐患!广州很可能成点燃华南的火药桶!https://t.co/hgKTeIjS8c pic.twitter.com/RJ1AkgeN0l
— 冷山时评 (@goodrick8964) April 8, 2020
また国内最大のSNSアプリ『WeChat(微信)』で先週末、「ルールに従わない外国人」をゴミ箱に放り投げるイラストが投稿され波紋を呼んだ。
問題となったイラストは、同アプリでブログサイトを運営している『锦鲤青年』が作成したものだ。現在は規則違反として削除されているが、「洋垃圾分类图鉴(外国人ゴミの分別方法)」と題された、その見るに堪えない憎悪表現に同投稿は国内外のSNSで拡散された。
Another sign of soaring xenophobia in China. A cartoon imagines foreigners as trash to be sorted. It invents their crimes against the virus response, mixes it with their malign motives in China, and fantasizes about committing violence against them. https://t.co/5G7TuAMWKO pic.twitter.com/Y2ZjNagvKl
— Paul Mozur 孟建国 (@paulmozur) April 6, 2020
「マスクをしない外国人」「外出する外国人」「中国人女性を狙う外国人」「親中を装う反中外国人」など9つの理由で区別し、それぞれ可燃ゴミや生ゴミとして防護服を着た中国語を話す2人に捨てられるというものだ。
米メディア『supchina』によると、投稿者は同イラストに対して「外国人を差別しているわけではない」と弁解しつつ、「ルールを守らず、恩を敵で返す外国人には容赦しない」と強い語り口で明記していたという。
恩を敵で返すとは、一体どういうことか?投稿者は、こう主張する。
「中国は諸外国にマスクや人工呼吸器などを寄贈して世界に大きく貢献しているのに、外国のゴミ共はその優しさを当然のことのように思っているんだ!」
国内におけるウイルスの感染例が再び増えている原因は、実際には殆どが外国人ではなく海外から帰国した中国人だ。しかし、ネットや噂で情報が歪曲した形で広がり、外国人差別に繋がっている。