Source: YMI
シンガポールの新婚夫婦が、親戚や友人らと一緒にホームレスの人達を招いて結婚式を開いた。
現在37歳のアブラハム・ヨーさんは2014年、日本旅行中に東京で出会ったホームレスの人達との対話に影響を受け、2年後の2017年にホームレスへの奉仕活動を目的としたボランティア施設『Homeless Hearts(以下、HH)』を創設したという。
そこで彼は13歳年下のペンチェン・ユーさんと出会い、年の差を乗り越えて結婚に至った。
そして2人は、キリスト教の聖書の1節に記されていた「困窮者を祝宴に招きなさい」という言葉に倣い、HHで知り合ったホームレスの友人を結婚式に招待することを決めたのだ。
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当初は、彼らの多くが住む中華街での挙式を予定していたものの、式場が全て予約で満杯だったため少し離れた協会での開催となった。
2人はHHでホームレスの男女25人に招待状を配布したが、「スーツなどの礼服を持っていない」ことを理由に出席を躊躇う人が続出したという。服装規定は無いことを伝えるも、彼らは変わらず遠慮気味だったようだ。
これにヨーさんは、「彼らはとても恥ずかしがっていました。礼服の心配をしたことがない我々にとって、彼らの気持ちを完全に理解することは出来ないでしょう」と、ホームレスの人達の心境を考慮していなかったと語っている。
新しい服を買うための予算はなく途方に暮れていたヨーさん達だが、教会の知り合いから洋服代を恵まれ、更にスタイリングも担当してくれたという。そして、ホームレスの人達は色鮮やかで綺麗な正装に身を包み、満足した様子で結婚式を楽しむことができたのだ。
「結婚式では、素敵な光景が広がっていました。おじさん達は小洒落た格好をして、まるで別人のようでしたよ」
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さらに2人はマレーシア人の友人のためにマレー語の賛美歌を用意したり、出席者が気軽に交流できるように伝統的な丸テーブルではなく西欧式の長テーブルに変更するなど、キリスト教の「与える精神」を惜しみなく体現させた。
そしてヨーさんは、出自の異なる人々が一緒に式を楽しんでいる光景に「非常に感動した」と述べている。
キリスト教徒向けメディア『YMI』によると、新婚夫婦はハネムーンを日本で過ごし、将来的にはホームレスのための奉仕活動を日本でも広げる計画を立てているという。