Source: Gebby Vesta/Instagram
インドネシアの芸能界で長年活躍していたDJゲビー・ヴェスタ(Gebby Vesta=トップ画像)さんが先月、自身のインスタグラムにてトランスジェンダーであることをカミングアウトした動画を投稿し、支援と称賛の声が多数集まっている。
ヴェスタさんは6年前に性転換手術を行って女性になったが、自身が性同一性障碍であることは約20年前から自覚していたという。しかし口外はせず、他人の前では男性として振舞っていた。
一方、ヴェスタさんの家族は息子がトランスジェンダーであることに理解を示していたものの、それを隠していたばかりに周囲から嘲笑されることが多々あったと、彼女の母親は明かしている。
そんな彼女に転機が訪れたのは、父親の病気が悪化した時だった。そして、「神様の定めた運命に逆らうことは出来ない」と悟ったヴェスタさんは20年間の沈黙を破り、遂にカミングアウトすることを決意したのだ。
イスラム教徒が多数を占め、性同一性障碍に対する理解が未だ少ないインドネシア社会だが、カミングアウトの動画(現在は削除されている)には称賛の声が殺到した。さらに、LGBT(性的少数派)に協力的な姿勢を示すコメントが多数送られているのだ。
「人に嘘を付く罪悪感に苛まされる毎日から、解放されたかった」と語るヴェスタさんは、父親の介抱など家族の世話をするため、芸能界から引退すると発表した。
「正直でいることは美しいことなのだと気付いたわ。動画を投稿した後、お母さんから電話が来て、すごく安心したと言っていたわ。今なら誰に何と言われようと、もう怖くないって言ってくれたの」
現地メディア『Tribun Jatim』によると、ヴェスタさんは現在、スキンケア商品の販売やサロン経営などを手掛けるベンチャー企業を運営しているという。