Source: @jenhatmaker/INSTAGRAM
アメリカはテキサス州オースティンにて今月初旬、LGBTQ(性的少数派)コミュニティーの権利向上を目的としたゲイ・パレード(Pride Parade)が開催された。参加者が過去最大規模ともいわれている今回のパレードは、シンボルカラーである虹色に包まれて大きな賑わいを見せた。
そんな中、キリスト教徒である参加者が「養母・養父」として、LGBTQの子供達に”フリーハグ”を提供し話題となっている。
親から愛されないLGBTQの子供達
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今年のオースティンで開催されたゲイ・パレードには、「FREE MOM HUGS(母親からのフリーハグ)」、「FREE DAD HUGS(父親からのフリーハグ)」と書かれたプラカードを掲げる参加者の姿が注目を集めた。
彼らはオースティン市内にある教会に出席しているキリスト教信者だが、「同性愛をタブー視する聖書の教えによって、親から見放されるゲイの子供達に愛を与えたい」と、ゲイ・パレードに繰り出してフリーハグを実施したのだ。
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「母親からのフリーハグ」は、キリスト教徒でありながらもゲイの息子を持つサラ・カニンガムさんにより創設された、博愛精神を捧げる運動だ。
息子がゲイであるとカミングアウトした時、信仰の厚いキリスト教信者だった彼女は「宗教か、息子か」の選択に深く悩まされたという。しかし、彼女はすぐに聖書の偏った教えを捨て、夫と共にLGBTQを支援するため4年前から毎年ゲイ・パレードに参加するようになった。そこでカニンガムさんは「母親からのフリーハグ運動」を開始。Facebookページも作成したのち、多くの人達の目に留るようになり、今ではFREE MOM HUGSという非営利団体が設立されるまで大きくなったのだ。
カニンガムさんはFREE MOM HUGS公式ページにて、ボランティア活動の意義を語っている。
「活動を進めるにつれて、より多くの子供達が愛に飢えていることを思い知らされる。彼らは皆、口を揃えて訴えるわ。何年も両親と会っていない、ゲイだからというだけで両親から見放されている。そうやって、泣きながら私にハグをしてくれるの。だから私は、もう彼らを偏狭な目で見るのはやめてほしいと強く願う。ゲイである子供達が親から愛されない社会をなくすまで、私達は戦い続けます。」
こうした活動に影響を受けたジェン・ハットメイカーさんは、オースティンのゲイ・パレードで行われた「母親からのフリーハグ」の写真を自身のインスタグラムに投稿。
彼女は、差別を受けているLGBTQコミュニティーへの思いを明かした。
「私達のプラカードを見るなり、走ってハグをしてくれるパレードの参加者がたくさんいたわ。そして、私にこう言うの。ずっとこうしたかった、母親が僕を愛してくれない、父親が僕と話してくれない、もう一度ハグしてほしい、って。私は彼らを強く抱き締めた。あなた達は愛されてる、必要とされているんだって伝えたかったの。」