Source: May-Lee Melki/Facebook
レバノンの首都ベイルートで4日、数千トンの硝酸アンモニウムが保管されていた倉庫で大規模爆発が発生した。
現時点で死者154人と約5000人の負傷者が出ており、最大30万人が爆風により家を破壊され、「中東のパリ」と呼ばれる美しい街は壊滅的な被害を受けた。
米メディア『CNN』によると、爆発時に外出中だった79歳のベイ・アブード・メルキさんは帰宅後、60年間暮らしていた我が家の荒れ果てた姿を見て絶望したという。
そして彼女は、結婚記念として父親からプレゼントされたピアノの前に座り、「蛍の光」で知られるスコットランドの民謡『オールド・ラング・サイン』を弾き始めた。
孫娘のメイリ―・メルキさんがその時の映像をフェイスブックに投稿し、3万件以上のシェアに2万件のいいね!が寄せられるほどの注目を集めた。
「おばあちゃんは、苦しみを押しのけようとしていました。そして、平穏な一時を作り出そうとしていたのです」
同メディアによると、ベイ・アブード・メルキさんはその後「アラブの聖歌」を演奏し、彼女の周りに多くの人が集まってお祈りを始めたという。
コメント欄にはレバノンへの励ましの言葉を贈る人々が殺到しており、おばあちゃんのピアノを弾く姿は「レバノン人の不屈の精神を表している」などと称賛する声もあった。