Source: Anwar Ajid/Facebook
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う移動規制により、外食産業や観光業での失業者が後を絶たない。
その余波は、観光客の激減したマレーシアの航空会社も襲った。
8歳の娘がいるアンワル・アジドさん(トップ画像)は、コロナ不況で会社から解雇を告げられた元パイロットの1人だ。
Source: Anwar Ajid/Facebook
アジドさんは自分の置かれた状況をFacebookにシェアし、職探しをするなかでの苛立ちや葛藤をを詳細に記した。
「僕には、航空機を操縦するスキル以外になにもない。同僚は株や外国為替で収入を得ているけど、そんな知識はないしリスクも大きい。借金返済があるから、元本の用意もないよ」
失職後にパイロットの職を探すも、全て書類選考で落とされたという彼は、遂にパイロット以外の職種に応募することを決意。
現在、外出制限があるなかで需要が高まっている食品宅配サービス業へ転職したのだ。
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収入は、パイロット時代の1日600リンギット(約1万5000円)から1日60リンギット(約1500円)まで減少。業務内容もクレーマー対応や蒸し暑い中でのバイク走行など前職から一変し、全く違う環境での仕切り直しを強いられている。
しかしアジドさんは「働くほかない」と宅配を続けており、8歳の娘が将来困らないよう、いずれは高収入の職に就くことを計画しているという。
アジドさんのストーリーは国内で注目を集め、未曽有の事態でも希望を捨てずに前進する姿勢に、称賛の声が多数届いている。