Source: Daniel Anguilu/Instagram
アメリカ南部テキサス州で22日、黒人差別撤廃運動の象徴であるジョージ・フロイドさんの壁画に、黒人差別用語の落書きがされているのを現地記者が発見した。
同州の都市ヒューストン市内にあるこの壁画は、昨年5月にミネソタ州で白人の警察官がフロイドさんを死に至らせた事件の直後に描かれたもので、その横には彼の最期の言葉「I can’t breath(息が出来ない)」の文字が記されている。
現地警察によると被害が起きたのは22日未明とみられており、容疑者で元警察官のデレク・ショーヴィンに有罪判決が下された僅か2日後のことだった。
Source: Chauncy Glover/Twitter
落書きは現在、壁画を手掛けたダニエル・アンギル(Daniel Anguilu)さんによって消されているが、当時は「ニガーの命に価値はない」と書かれていたという。ニガーはアメリカで「Nワード」と呼ばれる黒人差別用語で、奴隷制度が存在していた時代に白人がアフリカ系の人々をそう蔑称していたことから、現地での使用が厳しく規制されている単語だ。
また、この壁画は過去に何度も差別的な落書きの被害を受けたことがあったと報じられている。
現場には監視カメラが設置されておらず、捜査は困難を極める可能性が高い。
犯行動機が明らかにされていない中、トロイ・フィナー署長は声明で「多様性のある洗練された街の平和を、たった1人の悪人に壊されるようなことがあってはならない」と訴え、全ての市民に対し一致団結するよう呼びかけた。