Source: Ariana Grande VEVO/YouTube
アリアナ・グランデが先週金曜日、最新シングル『God Is A Woman』のミュージックビデオを公開した。
ビデオの制作者はカリフォルニア州出身の映像監督、デイヴ・メイヤーズ(Dave Meyers)氏だ。過去にも彼は多数の有名アーティスト達のミュージックビデオを手掛けており、中にはラッパー歌手ケンドリック・ラマ―(Kendrick Lamar)の『All The Stars』や、人気バンドMaroon 5の『Wait』がある。
そんな彼の最新作には、「神様は女性」という力強いテーマの楽曲と共に、女性の権利向上を支持する様々なメッセージが込められている。
男性からの誹謗中傷を俯瞰するアリアナ・グランデ
Source: Ariana Grande VEVO/YouTube
怒り狂った男性達を、アリアナ・グランデが見下ろすシーン。
「ビッチ!」「売春婦!!」「うざい女!」などの罵り言葉をアリアナに投げ掛けるも、彼女は怯むことなく罵倒を弾き返している。
ネット上や集団で相手を傷付ける行為に走る者は、未熟で取るに足らない(=小さい)存在であり、自分は器の大きい人間であることを揶揄していると言われている。
ローマを建国したのは女性?
Source: Ariana Grande VEVO/YouTube
巨大なアリアナの胸元を3人の男が弄るこのシーンは、ローマの建国神話に登場する、ローマを建国したとされる双子の兄弟(ロームルスとレムス)を揶揄していることが分かる。
ロームルスとレムスは狼の母親に育てられたという伝説から、女性がローマ建国の母であるとのメッセージが込められているのでは、と言われている。
「ガラスの天井」を破壊する意味とは
Source: Ariana Grande VEVO/YouTube
アリアナ・グランデがハンマーを空高く放り投げ、ガラスの天井を破壊。
「ガラスの天井」とは英語でGlass Ceilingと呼ばれる、「女性やマイノリティの昇進を妨げる見えない障壁」のことだ。
それを打ち破ることで、女性達の社会における権限(エンパワーメント)を拡大する願いが込められていると言える。
最後のシーンに込められた意味とは?
Source: Ariana Grande VEVO/YouTube
ミュージックビデオの終盤には、ミケランジェロの作品「アダムの創造」を彷彿させるシーンが映し出される。
原画の右側には「神」が、そして左側には旧約聖書の「創世記」に登場する最初の人類「アダム」が描かれている。
「アダムの創造」に描かれている神と人はいずれも男性であるが、ミュージックビデオでは性別を逆転。
女性が神として描かれることが何を意味するのか、如何に”イメージ作り”というのが社会に影響を与えるのかが分かるのではないだろうか。
最も議論が繰り広げられているのシーンの解析を紹介したが、ミュージックビデオにはまだまだ隠されたメッセージが散りばめられている。
「God Is A Woman」は8月にリリースされるアリアナの最新アルバム「Sweetener」に収録される予定だ。