Source: ReCup GmbH/Open Ideo
ホットドリンクを持ち帰って嗜むことを可能にさせた、コーヒーチェーンなどで使用されている紙カップ。
非常に便利で日常生活に役立っている反面、年間生産量は2500万個を超えており、数千トンの温室効果ガスを排出しながら、使用済みのものは殆どがリサイクルされず埋め立て地処理に回されている。
リサイクル率が低い主な理由として、その特殊な構造が挙げられる。チェーン店などで使用されている紙カップには、飲料が滲み出ないよう内側に薄いプラスチック膜があり、リサイクルするには紙とプラスチックを分ける特殊な技術が必要となるのだ。
そうした現状の中、テイクアウト用の紙コップを大量に使用しているスターバックスとマクドナルドがパートナー契約を結び、次世代の紙カップ開発を目標としたグループ『NextGen Consortium』を創設。
そこで、持続可能性の高い紙カップやストロー、スリーブや蓋などの革新的なデザインを募集し、最終的に世界で480組から様々なアイディアが提出されたという。
集まった案を元に数ヶ月間かけて試作品を開発させた同グループは、そのなかで最も持続性が高く且つ商業利用にも適したデザイン12個を最優秀作品として発表した。
選出された作品には、アメリカの化学品メーカー『Soleins』から紙カップの内側にあるコーティング剤をリサイクル・堆肥可能にさせた『Solenis Topscreen: Consumer Board』や、フランスの紙カップ製造業者『C.E.E R. SCHISLER』の自宅で堆肥が可能なホット・アイス兼用の『Earth Cup』、さらにドイツ企業『ReCup GmbH』からはテイクアウト用カップのレンタルサービスなどがある。
近年、環境負担を低減するために各企業が製品開発に注力を注いでおり、スターバックスコーヒーは紙製ストローの導入実施など本格的な取り組みが行われている。