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カリフォルニア州ロサンゼルスの市議会が18日、リアルファーの製造・販売を禁止する法案を満場一致で可決させた。著名なファッション・ハブとして知られる大都市の決断が、世界中で大きな注目を集めている。
これでアメリカではサンフランシスコに続き、2大都市でリアルファーが違法となった。
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「これは単なる政治的な勝利ではない。道徳上の勝利だ。」
ロサンゼルスの市会議員ボブ・ブルームンフィールド(Bob Bluemenfield)氏(画像上)が、法案可決の意義を語った。
「我々は不必要な残虐行為を阻止させることで、市として、そして人として進化を遂げているように思う。」
ブルームンフィールド氏は、「常夏のロサンゼルスでリアルファーを使用する必要性はない」と主張しており、同じく市会議員のポール・コレッツ(Paul Koretz)氏は「虚栄心を満たすために動物を劣悪な環境下に置くのは倫理に反する」と、リアルファー製造過程の残虐性を強く非難した。
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法案可決を援助した動物愛護団体「PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)」のキャンペーン本部長クリスティーナ・シーウェル氏は声明文にて、ロサンゼルスでの毛皮販売禁止法案は「国民運動の一環だ」と意気込みを語った。
「何百万匹もの動物がファッションのために殺されている中、私達は少しずつこの問題に取り組んできました。アメリカ全土でリアルファーが禁止されるまで、活動を辞めるつもりはありません。」
毛皮産業に対する非難の嵐はファッション業界にも流れ込んでいる。高級ブランドのヴェルサーチ、マイケル・コース、グッチなどはリアルファーを使用した商品の廃止を発表。今月にはバーバリーも毛皮商品の廃止に踏み込んだ。
しかし、リアルファー反対運動に拍車が掛かる中、毛皮産業からは怒りの声が上がっている。
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リアルファーの製造・販売禁止によって大打撃を受ける毛皮産業は、市議会の法案可決に猛抗議を挑む姿勢を示している。
毛皮商品の貿易グループであるアメリカ毛皮情報協議会(Fur Information Council of America)は、動物愛護団体が拡散している残虐な製造過程は「間違った情報だ」と主張しており、「(ロサンゼルス市議会は)事実の真否をしっかり調査したのか」と訴えている。
また、リアルファー禁止法案によって職を失う人が溢れ出すと警鐘を鳴らした。
リアルファー禁止法はロサンゼルス市法務官による起草の後、市議会の最終承認を得た2年後に施行される予定だ。起草には”例外”が含まれており、「すでに製造された中古品の販売」や「宗教上の毛皮使用」などは許可されている。