Source: Laila Laurel/Instagram
イギリス南東部・イーストサセックスにあるブライトン大学の女子生徒が考案した椅子が新人賞を受賞した。その名も『マンスプレッディングの解決策』。マンスプレッディングとは、電車など公共交通機関において男性が足を広げて座る姿勢のことだ。
マンスプレッディングは、1人分以上の座席を占領してしまうことから欧米を中心に批判が高まっており、社会問題と化している。
アメリカ・ニューヨーク市のメトロでは2014年、地下鉄内でのマナー向上の一環として『マンスプレッディング防止キャンペーン』が公式に実施されたほどだ。更にニューヨーク市警察もキャンペーンに賛同しており、2015年5月には地下鉄で足を広げて座っていた男性2人が逮捕されている。


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ブライトン大学3Dデザイン工芸部のライラ・ローレルさん(画像下)が卒業作品としてデザインした『マンスプレッディングの解決策』には、男性用と女性用があるという。男性用は両端が八の字に作られており、開脚を防ぐような工夫が凝らしてある。一方、女性用は足を広げて座ってもらうため、椅子の先端中央に木片を突出させているという。
ローレルさんはイギリスのオンラインメディア『The Independent』のインタビューに対し、デザイン作成に当たって最も影響を受けたことに「フェミニズム第四の波」を挙げている。フェミニズム第四の波とは、日常生活を送る上で女性達が受ける性被害を根絶させることに焦点を当てた社会的な活動だ。

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また彼女は同インタビューにて、自身のデザインした椅子が議論を盛り上げたことを光栄であると語っている。一方で、この作品はフェミニズム推進などの目的を持って考案したのではなく、皮肉を込めた「ウケ狙い」で思い付いたと説明した。
ローレルさんは受賞特典として1000ポンド(約13万円)の賞金が贈られ、高級ホテルで使用される家具などのデザインを手掛けるという。