Source: AP通信
アメリカの首都ワシントンD.C.で15日、国内最大のLGBTQ人権団体『ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)』のナショナル・ディナー・イベントが開催された。
ジョー・バイデン元米副大統領も参加した同イベントでは、『プラダを着た悪魔』や『オーシャンズ8』などで知られるハリウッドの大女優アン・ハサウェイが、『National Equality Award(国民平等賞)』を受賞した。
受賞後のスピーチでハサウェイは、現代社会で”異性愛者の白人男性が持つ特権”について言及し、米ネット上で議論を巻き起こしている。
「私達が生まれた時から存在していた習慣や”常識”を中心に回る世界を、壊していかないといけない」
女性の地位向上を目的とした国連組織『UNウィメン』の親善大使も務めるハサウェイは受賞後のスピーチで、LGBTQコミュニティーや有色人種など「異性愛者の白人男性以外が受ける差別と偏見」について取り上げ、それらは「昔からの習わし故に信じられ、慣行だから”そういうもの”と決め付けられ、受け継がれてきたから”変えることはできない”と思われている」と主張した。
「この誤った通念は危険を生み出します。なぜなら、愛に優劣を付けるからです。人種や体型の違いにも優劣を付けます。自分達の持つ信条以外には価値がないと見なすようになるのです」と、固定概念がもたらす差別や偏見を強く非難した。
10分以上にわたる彼女のスピーチには、参加者から何度も拍手喝采が沸き起こった。スピーチが終わると、アン・ハサウェイは大声援を送られながら会場を後にした。
しかし、このスピーチを聞いた人々からは「白人男性を迫害している」「お前も白人じゃないか」という指摘が続出している。
「僕は週に60時間以上働いている。教養を身に付けるための費用は自己負担だ。今までの成果は、努力して手に入れたものだ。
そこに”特権”などはなかった。白人特権などと発言するのは、有色人種を見下しているのと同じだぞ。しかも、そうやって白人だけを批判することは人種差別に当たらないのか」
White girl complaining about whiteness and heterosexuality. Uh, Anne, LGBTQ? r less than 4.5% of US population, White people are over 70%. Straight people 95.5%. 🤦♂️ Normalcy will always be the norm, not abnormalities and wishful thinking. 🙄
— Troy Spurlock (@gulfwar_veteran) 2018年9月18日
「白人の女の子が白人と異性愛者に文句を言うとは。アメリカでは、LGBTQの人口は4.5%以下だ。白人は70%以上、異性愛者は95.5%だ。正常なことが世の中の基準になるのは当り前だろう。病気や夢想が基準になることはない」
大女優の訴えに対する厳しい意見が多数投げ掛けられるも、現状は彼女のスピーチを支持するユーザーの声がより目立っている。
アン・ハサウェイは今年7月、黒人女性が面識のない白人の男に殺された事件を受けて”白人特権”を自身のインスタグラムを用いて批判したが、ネットユーザーからのバッシングが殺到し、投稿のコメント欄は今でも閉鎖されている。