CULTURE

人気DJがホイットニー・ヒューストンの幻の楽曲をEDM風にリメイク

Source: Kygo VEVO/YouTube

世界的に高い人気を誇るノルウェー出身のDJカイゴ(Kygo)が今年6月、伝説的ヴォーカリストである故ホイットニー・ヒューストンのカヴァー曲『Higher Love(ハイヤー・ラブ)』のリメイク版をリリースした。

そのミュージックビデオが25日、公式YouTubeチャンネルにて公開され注目を集めている。

トロピカル・ハウスと呼ばれる、南国を連想させる緩やかなビートが特徴的なカイゴ流の曲調は、ホイットニーの力強くも洗練された歌声と見事にマッチしている。

『ハイヤー・ラブ』は、1986年に全米1位を獲得したイギリスのロックミュージシャン、スティーヴ・ウィンウッドの大ヒット曲だ。

そのカヴァーをホイットニーが1990年の東京公演で初披露し、同年にリリースされた3作目のアルバム『I’m Your Baby Tonight』の日本盤にのみ、彼女の歌う『ハイヤー・ラブ』がボーナス・トラックとして収録されたのだ。

アメリカの音楽雑誌『Rolling Stone(ローリング・ストーン)』によると、音楽プロデューサーのナラダ・マイケル・ウォルディン氏が同年、レコード会社に『ハイヤー・ラブ』のカヴァー曲をホイットニーの最新アルバムに収録するよう申し出るも、「彼女はカヴァーシンガーではない」と拒否されてしまったという。

それから30年経った今、殆ど誰にも知らされずにいた幻の楽曲を現代に蘇らせたいと、ホイットニーの遺族から成る『ホイットニー・ヒューストン財団』が音楽出版会社『Primary Wave(プライマリー・ウェーブ)』とタッグを組み、カイゴに作曲を依頼したのだ。

同財団代表でありホイットニーの義理の妹であるパット・ホイットニー氏は、ローリング・ストーン誌のインタビューにて、思想の衝突や排他主義などの社会問題が蔓延っている今こそ、アップビートで晴れやかな気分にさせるホイットニーの楽曲が求められていると、『ハイヤー・ラブ』のリミックス版を懇願した理由を明かした。

Source: Kygo Vevo/YouTube via Giphy

伝説的ヴォーカリストの秘蔵カヴァー曲を、現代版として息を吹き返らせるという大役を任されたカイゴは作曲に当たり、「ホイットニーならこうするだろう、ということを意識したが、同時に自分のスタイルも取り入れた」と同誌に語っている。

そして、「音楽史上最高の女性ヴォーカリストの一人とコラボレーションをさせて頂く機会を頂き、光栄に思います」と感謝の意を述べた。

同曲のミュージック・ビデオでは、ホイットニーの全盛期である80年代~90年代に大流行した「エアロビ」に励む女性達の、陽気でキレの良いダンスに注目。そして窓からレッスンの様子を眺めていた青年達がダンスに加わり、MVは性別や人種を卓越したような、朗らかな世界観を生み出している。

まさに、排他主義の横行する現代の社会情勢を危惧していたパット・ホイットニーが、同曲に求めていたものではないだろうか。

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