Source: Manual/Instagram
5月13日からの1週間は、精神衛生への問題意識を高める『メンタルヘルス意識向上週間(Mental Health Awareness Week)」と呼ばれる期間だ。メンタルヘルス財団によって定められているこの意識向上週間は、毎年議題となるテーマが設定される。そして、今年のテーマである「ボディ・イメージ」は、私達が自身の体型に抱く思いや悩みに焦点を当てている。
これを機会に、男性のメンタルヘルスケアに取り組むウェブサイト『Manual(マニュアル)』が「筋肉質な理想体型を求められる男性が感じるプレッシャー」を打ち壊そうと動き出した。
「男性はメディアで称賛されるギリシャ彫刻のような身体を求められることに、過度なプレッシャーを感じている」
世間から期待される「理想の男性像」の圧力は男性のメンタルに多大な悪影響を及ぼしていると危惧するマニュアルは、男性が悩みを打ち明けやすい環境作りの必要性が高まっていると指摘する。
1列に並んだ男性の写真には、広告や雑誌などメディアが賛美する筋肉質な体型の人は誰もいない。マニュアルは体型の異なる8人の男性に取材を申し入れ、彼らの「身体との向き合い方」を特集したのだ。
彼らは、社会が示す男性の理想体型は画一的で、それ以外は醜いものであると判断されることで自尊心を失っていた過去と決別し、ありのままの自分を受け入れることが如何に精神衛生の回復と自信向上に繋がったかを語っている。
男性が悩みを大っぴらに打ち明けることを”弱さの表れ”と蔑視してきた歴史に終止符を打ちたいと、マニュアルは公式サイトにて明言している。
ハリウッド映画など影響力のある媒体が打ち出す主人公の多くは、セクシーな女性を虜にしてしまうような「力強いリーダー格の男性」か、もしくは内向的だが感情に左右されない「天才肌のストイックな男性」の2通りしかないと指摘。
「前者は助けを必要としておらず、後者は助けを求めない姿勢が評価されている」
メディアが唱える理想の男性像は、”他人に相談することは女々しいこと”という思考を生み出し、結果的に多くの男性を苦しめていると批判している。そこに問題点を見い出したマニュアルは、こうした悪影響を及ぼす固定概念を取り払おうと「男性が悩みを打ち明けやすい環境作り」の普及に向けた取り組みを開始したのだ。
男性の自殺率が女性より遙かに高い一方で、病院への来院数は女性の半数以下である現状からも、「苦痛に耐える男らしさ」を極度に賛美することの弊害は否定できないだろう。男性のメンタルヘルスケアへの必要が迫られている中、同サイトが問題解決への糸口となることが期待されている。