Source: Lucky Lee’s/Instagram
大都市ニューヨークに8日新しくオープンしたレストラン『Lucky Lee’s(ラッキー・リーズ)』は、アメリカ風中華料理に特有の「脂っこさ」や「塩辛さ」を極力減らした、ヘルシー指向の中華料理店だ。
しかし、オープン早々「ある言葉」が原因で多くの人々の反感を買う事態となったのだ。
食をテーマとしたオンラインメディア『Eater New York』が伝えた。
栄養士である店主のアリエル・ハスペル(Arielle Haspel)さんは、過去に健康上の理由で中華料理を嗜むことができない顧客に何人も会ってきた経験から、レストランのアイデアを思い付いたという。
そうして開店させたLucky Lee’sの宣伝文句は、「翌日の不快感や”むくみ”を心配して、炒麺を食べるのを諦めてる?それなら、私たちの炒麺を試してみてね。オイリーすぎず、塩気も少ないわよ」というものだ。一見、特に批判を受けるような内容は書かれていない。
しかし、彼女がレストランの調理方法は「クリーンである」と公式インスタグラムにて発信したことにより、批判が湧き上がったのだ。まるで伝統的な中華料理が汚いものであるかのような表現に、インスタグラムユーザーの怒りは爆発。コメント欄はレストランに対するクレームで溢れかえった。中には、白人が中華料理で「利益を得る」ことは「文化盗用」であると指弾する者も。
店側はこうした炎上を受け、問題となった投稿を削除。後日、Lucky Lee’sのコンセプトについて釈明した声明文をインスタグラムに投稿した。
「レストランのコンセプトに対し、文化摩擦による多くの反発がありました。私達は、常にお客様の声に耳を傾け、反映していくことを約束します。私達が料理に関して発言する時は、他店を言及していることはありません。自分のレストランのアピールポイントを発信する権利は、誰にでもあるはずです。Lucky Lee’sのLeeは、レストランのシェフである私の夫の苗字から取ったものです。そして、お店は彼の中華料理への愛からインスピレーションを受けたのです。また、中国系以外が中華料理店を営むことに対する反発もありましたが、ニューヨークは”文化の坩堝(るつぼ)”と呼ばれる場所です。私達はユダヤ系ですが、小さい時から中華料理に親しんで育ってきました。2つの文化が融合することは、目新しいものではありません。私達はアメリカ風の中華料理が大好きで、Lucky Lee’sは中華料理の祝福を目的としています。」(※一部省略)
長文で批判に対する謝罪と反論を記載したハスペル氏。それでも反発の声は鳴り止んでいないようだが、「過剰に反応しずぎでは」などとレストランを擁護する人も多数出ている。
一方、気になるそのメニューだが、牧草を食べて育った牛肉やヴィーガン料理などが含まれており、中華料理ではあまり見掛けないオーガニックな食材が提供されている。