アメリカはアーカンソー州に暮らすTrenton Lewis(トレントン・ルイス)は、21歳にして一人娘を持つ若き父親だ。
職業は運輸会社UPSのトラック運転手で、トラックに荷物を積む作業は朝の4時に始めなければならない。
そのため彼は、なんと毎日夜中に起きて職場まで8kmもの距離を歩いて通勤しているというのだ。
そんな同僚の姿を見かねた仕事仲間が、お互いにお金を集めて彼に車をプレゼントした時の動画がネット上で話題となっている。
“娘が生まれて意識が変わった” 毎日3時間歩いて通勤する父親
家から職場までは、歩くと3時間かかる距離。朝の4時に職場に着くため、なんと家を出る時間は深夜1時前。
それでも、トレントンは欠勤どころか遅刻さえもしたことがないという。何故ここまで過酷な状況でも耐えることができるのだろうか?
彼は米メディアKATVのインタビューにて、こう答えた。
「しっかり働かないといけないんだ。娘が生まれて、仕事に就くことの重要性が更に増した。娘が生まれた時、俺は無職だった。だから娘のためにもっと力を入れていかないと、と思ったんだ。」
トレントンは、1人娘を持つ若きシングルファザー。父親としての自覚と責任感が、彼を毎日8km歩かせる強い動機となっているのだ。
しかし、彼の仕事仲間もこの状況に気付いていなかったわけではない。
仕事仲間で寄付金を募り、中古車をプレゼント
トレントンの同僚、Kenneth Bryant(ケネス・ブライアント)の妻がトレントンの通勤状況について話すと、ケネスは居ても立ってもいられなくなったという。
ベテランドライバーのケネスは、過酷な状況でも毎日出勤しているトレントンは「非常に献身的な青年だ」と、車をプレゼントしようと決意。
仕事仲間に事情を話して寄付金を募り、集まった金額2000ドル(約20万円)で中古のサターンを購入した。
しかし仕事仲間といえど、ほとんどはトレントンのことを知らない人達。ケネスの話を信じ、寄付に協力したという。
その後ケネスら従業員は、「ミーティングがある」とトレントンを呼び出し、サプライズで彼に中古車をプレゼントをしたのだ。
その時の様子を撮影した動画がこちら。
帽子を被り、マスクを付けてる人がトレントンだ。
全員が集まったところで、ケネスが話を始めた。
「ほとんどの人は何故ここに集まったか知っているだろう。この仕事場には、職場まで歩いて通勤しているとても献身的な若者がいる。君のために、みんながお金を集めて中古のサターンを買ったんだ。君のことを知らない人達も、俺の話を聞いて寄付に協力してくれた。君に教えたいことは、良い人達と付き合えば良いことが起きる。そして悪い奴らと付き合えば、悪いことが起こる。彼らを代表して、サターンの鍵を君に渡そう。」
そうしてケネスは車の鍵を渡し、喜びを隠せないトレントンに同僚からも笑顔がこぼれた。
トレントンはサターンのドアを開け、エンジンをかける。車から出た彼は、「なんて言ったらいいかわからない。本当にありがとう。」と感謝の気持ちを表した。
そうして彼は遂に念願の車通勤を始め、今では通勤時間が2時間半も短縮されたという。
これからは娘のために使える時間も増えることだろう。
同僚1人のために大勢が助け合い協力していくことは、多くの人達が見習うべき職場の姿ではないだろうか。