レストランで食べ物を大量に注文したまま帰ったり、自殺遺体を前にほくそ笑む動画を投稿したりと、閲覧数を稼ぎたいがために非常識な行為を平気でする若きYouTuber(ユーチューバー)達。
1万回再生を越えればお金を得られるYouTubeの仕組みにより、なんとかしてより多くの人に自分の動画を見てもらおうと努力する善意的なYouTuberがいる一方で、稼ぐためなら手段を選ばない迷惑な者も増えており、最近では彼らの存在が世界的に社会問題と化してしまっている。
今まで彼らの動画によって炎上した件数は数知れないが、今年に入ってまた信じられない動画を投稿して集中砲火を浴びたYouTuberがいるのだ。
通行人に水をかける動画を投稿し炎上
大炎上を巻き起こしたのはイギリス出身のYouTuber、ItzArya(本名:Arya Mosallah)。
彼はここ最近急激に勢いを増しているPranksters(プランクスター)という”ドッキリ”動画作成者の内の一人。
Prankとは、英語で”いたずら”という意味。しかし、ItzArya含むPrankster達の動画はいたずらの域を優に超えており、もはや暴行罪が成立するような犯罪行為に及んでいるものもいる。
そしてItzAryaが今回炎上させた動画は、「カップに入った水を見ず知らずの通行人にかける」という信じられないなものだった。
しかし、今までも他人に水をかける動画を投稿したPranksterはいるが、炎上には至っていない。
今回彼の動画にここまで非難が集中した理由は、近年イギリスで増加している”acid attack”(酸を顔にかける行為)が横行しているためだ。
昨年、イギリスで確認された酸攻撃は、ロンドンだけでも400件に及んでいる。
そのためイギリス国民は酸攻撃に敏感になっており、そういった状況で水をかける動画を投稿するのは無神経で配慮に欠けているとして、ItzAryaの動画は集中砲火を浴びたのだ。
炎上を受け、YouTubeは彼の動画を削除した。
釈明動画を投稿するも、言い訳がましいと更なる批判が
批判を受けたItzAryaは、自身のYouTubeチャンネルにレスポンス動画を投稿した。
しかし、謝罪をするのかと思いきや動画の内容は自己防衛の言い訳ばかりであった。
「ただの悪戯じゃん。」「水をかけられた人たちは悪戯だってわかってくれたよ。」「今までもっと酷い動画を投稿したことがあるのに、注目を浴びたこの動画だけ批判するなんてただの偽善者だ。」
謝罪のしの字もない彼の動画に非難が殺到。彼はすぐにこの動画を削除した。
それでも彼は懲りずにPrank動画の作成を続行している。炎上動画の後も、「他人の食べ物を盗み食い」や「ジャンケンで負けたらおっぱい見せるゲーム」などの動画を投稿した。
しかし、Independentなどの大手メディアが問題の動画を大きく報道したり、PhilipDefranco(フィリップ・デフランコ)などの大物YouTuberが彼を酷評した動画を投稿するなど、ItzAryaに対する人々の不信の目は深まっていくばかりだろう。
詰まるところ、Pranksterの動画を見て見ぬフリしてお金を提供しているYouTube側に最も問題があるのでは?と考える人は極少数のようだ。